昨夜は不思議な夢を見ました。
私は見知らぬ街を歩いていました。空は薄紫色で、建物はすべてパステルカラーに塗られています。道行く人々は皆、透明なガラスの傘を差していますが、雨は降っていません。
角を曲がると、小さな本屋があります。ショーウィンドウには色とりどりの本が並んでいますが、よく見ると表紙には文字がありません。代わりに、それぞれの本から小さな光の粒が漏れ出ているのです。
興味を持った私は店内に入ります。店内は想像以上に広く、天井まで本棚が続いています。床には柔らかそうな緑色の絨毯が敷かれていて、その上を歩くと、まるで雲の上を歩いているような感覚です。
奥に進むと、一冊の青い本が目に留まりました。手に取ってページをめくると、文字の代わりに小さな窓が開いていて、その向こうには海が見えます。波の音が聞こえ、潮の香りまで感じられます。
次のページをめくると、今度は深い森の中にいました。木々のざわめきや鳥のさえずりが聞こえ、森の湿った空気が肌に触れます。本の中に入り込んでしまったようです。
どんどん先に進むと、ページの向こうには様々な風景が広がっています。砂漠、雪山、古代都市、未来の街並み。それぞれの場所で、小さな物語が展開されているのが見えます。
ふと気がつくと、私は本屋の前に立っていました。振り返ると、建物は消えていて、代わりに大きな木が一本立っています。その枝には、先ほど見たすべての風景が、シャボン玉のように浮かんでいるのです。
目が覚めた時、不思議な余韻が残っていました。夢の中の本屋で見た風景が、まだ目の前に浮かんでいるような気がします。今でも、あの青い本の中の海の音が、かすかに聞こえるような気がしています。
目覚めた後もしばらくは、現実と夢の境界があいまいな感覚が続きました。机の上のノートを開くたびに、ページの向こうに別世界が広がっているのではないかと期待してしまいます。
この夢は、私たちの想像力が作り出す無限の可能性について語りかけているのかもしれません。本を読むという行為は、まさに別世界への扉を開くことなのだと、改めて感じさせられた夢でした。